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PETとは

PETとは

PETとは、陽電子放射断層撮影【Positron Emission Tomography】の略語です。
撮影装置は、X線CTのような形でガンマ線検出器を搭載し、全身の組織の性状を診断する新しい検査法です。

PET検査では、まず、陽電子(ポジトロン)(※1)を放出する検査薬(おもにブドウ糖と結合させた18F-FDG(※2))を静脈から注射します。
細胞内に取り込まれる検査薬の量が細胞によって異なりますので、体内に検査薬(ブドウ糖)を多量に取り込む細胞があれば、その細胞から陽電子が多く放出され、その陽電子が消滅する際にガンマ線(※3)を体外に放出します。
そのガンマ線を検出器でスキャンすると、多く放出される部分が光って見えることを利用した検査です。

がん細胞は正常な細胞に比べて約3~8倍のブドウ糖を取り込む性質があり、検査薬を多く取り込みます。
ガンマ線が多く体外に放出される部位を同定することにより、がんの早期発見が可能となります。
そのためPET検診では主にがん検診として利用されています。


  • (※1)陽電子(ポジトロン)
    正(プラス)の電荷をもった電子のことです。
    この陽電子は、負の電荷を持つ普通の電子と互いに引き寄せ合う性質があります。 陽電子と普通の電子の結合時(陽電子の消滅時)に極めて短い波長の電磁波(ガンマ線)を正反対方向へ放出します。
    この2つの反対方向に放出されたガンマ線を検出器で検出し、画像構成法を使って、その発光の様子を画像で描出することができます。
  • (※2)18F-FDG
    グルコース(ブドウ糖)に目印となる「ポジトロン核種(=陽電子放出核種)」を合成した薬剤です。
    正式名称はフルオロデオキシグルコースといい、性質はブドウ糖とほぼ同じです。
  • (※3)ガンマ線
    極めて短い波長の電磁波でエネルギーが高く、物を透過する性質があります。
    そのため体外でガンマ線を検出することができます。

がんは、実際に腫瘍(デキモノ)ができたり、体に変化が起きてから見つかることが多く、がん細胞の成長がある程度進んでからでないと発見できませんでした。

しかし、がん細胞自身が光って自分の位置を知らせることが出来れば、もっと早い段階で見つけることが可能です。
「がん細胞に目印をつける」というのがPET検診の大きな特徴です。

PET検診では、がん細胞が正常細胞に比べて3~8倍のブドウ糖を取り込む、という性質を利用します。
ブドウ糖に似た物質(FDG)に目印をつけて体内に注射し、しばらくしてから全身をPETで撮影します。
するとFDGが多く集まるところがわかり、がんを発見する手がかりとなります。

従来のレントゲン(X線)やCT、MRIなどの検査は形からがんを見つけますが、PET検診はこのように細胞の性質を調べてがんを探し出します。

このような方におすすめの検査です

  • 長年喫煙をされた方、またはそのご家族
  • 現在症状は無いが、がんが心配な方
  • ご家族にがんの多い方
  • 全身のがんの有無を調べたいという方